新特急なすの日和

205系500番台R3編成。この姿が疾走している場面を見ることはできない。(2009年7月18日撮影)

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知床観光船遭難事故社長会見

4月27日午後5時ごろから始まった「初」の社長会見。1時間も2時間もやっていたようですが(私は18時40分頃まで見てました)一言でまとめると以下のようになると思います。

  • 安全管理規程がザル
  • なあなあ経営
  • 規制緩和のツケが回ってきた

だと思います。以下、会見を聞いた時のメモみたいなものなので、見たい方だけ見てください。

会見冒頭

皆さん、この度はお騒がせしまして誠に申し訳ございませんでした。(土下座)

社長冒頭コメント

この度は、当社の船舶のクルーズの中で大変な事故を起こしてしまい、亡くなられた被害者の方捜索中の被害者の方に対して、大変申し訳ない。亡くなられた被害者の方々の家族捜索中の被害者の方々の家族に対し大変な負担をかけている。申し訳ない。現在捜索中の被害者の方々が一日も早く見つかることを心から祈るとともに、当社として今後被害者の方々の気持ちを第一に考え、対処するとともに事故原因究明を全力で行っていく所存。

コメント後

この度はお騒がせしまして誠に申し訳ございませんでした。(土下座)←2回目
↑「またかよ!」と画面前で言ってしまった。

経緯

  1. 事故発生前
    • 2021年
      ?月 KAZU I 船首、海上浮遊物と接触 船長は豊田氏ではない
      6月 船尾を暗礁にこする座礁事故 船長は豊田氏
      7月 KAZU I 造船会社に修理出す 添付写真あり←会見に参加した報道各社に配布された資料にプリント
      修理後JCI検査受け合格 書類等は船中
      北海道運輸局から2件に関する改善命令を受ける
    • 2022年
      1月~ シーズンに向け造船所に整備依頼
      4月15日 港に下す
      4月20日 JCI中間検査、合格 書類は船中
      4月21日 KAZU I 他運航会社3社とともに救助訓練を行う
      海上保安庁定期点検 救命胴衣・船体検査に対して指摘なし
      4月22日 豊田船長 他運航会社とともに海上浮遊物がないかテスト走行 事故発生ルートと同じ
    • 事故発生日(4月23日)
      クルーズ船の打ち合わせ
      豊田氏から天候荒れる予想があるが10時のクルーズは通常運航 天候荒れるようなら戻る条件付き
      他社船長からアンテナが外れているとの報告 社長、業者報告、修理依頼
      当初の故障は携帯電話?他社無線との連絡可能とのことで出港
      13時18分 KAZU I 他社に無線連絡 船首浸水 救助求める 他社海保に救助要請
      その後海保と無線連絡している
      16時半 海保救助活動開始
      社長が把握しているのは以上

質疑応答など

  • 家族説明会ではどんなことを?家族はどんな反応を?
    今のところ社長としては、正直なところ謝罪をするしかない。内容は大切な家族を失ったわけなので、まだ捜索中の家族もいる。ただ見つかった家族もいる。謝罪しても謝罪のしようがない。
  • 謝罪対しての家族の反応は?社長はどのようなことを考えている?
    社長ができる限りのことをやってあげたい。それしか考えることができない。
  • 謝罪に対しての家族の反応は?
    やり場のない感情含め、社長としては精いっぱいそれを受け止めるだけの説明会になってしまった。
  • 被害者の家族からは社長からの説明が不十分、なぜこれだけの時間がかかったか教えて
    被害者の家族の方々の対応を救出活動のことを第一に考え、原因究明に協力すること 家族に誠心誠意尽くすことと思っていたが、社長一人の力ではうまく対応できなかった。申し訳ない。
  • 4月23日通常より早い出港を決めたのは誰
    最終的に判断は社長。
  • 出港を認める、最終決定を下すのは誰
    社長。
  • 「他の船が出てるから、ウチも出さないのか」という発言はしてないか
    覚えていない。
  • 出港をやめなかった理由は
    気になって過去のウトロの天気を調べ、社長認識として風速・波高も問題ない状況だった。
  • 事故を知った経緯
    事務所の社員から携帯電話で知った。浸水しているという連絡が他社に入ってすぐのこと。
  • その後の対応は
    漁業関係者に連絡。漁協組合長等に連絡。今後の行動を聞く。救助チームがあるので手筈を取るということで連絡を切る。
  • 電話切った後は
    何分後か覚えてないが、すぐ波が高くなってきて風が出てきた。助けに行けないかも、ということで調整連絡が入った。その後結論が出て、結局海保に連絡。ヘリも出てるので海保に任せる連絡。
  • 社長にとっては、行ける・行けないの判断は豊田氏に一任だったのか
    基本的にどの会社も船長判断。
  • 安全管理規程は?社長の認識は?
    「波1メートル以下でないと・風速8メートル以上だと・ 視界300メートル以上ないと欠航」
    ※ただし、この数字は「業界内の暗黙の了解」らしいので、安全管理規程には曖昧な言葉でしか書いてないとのこと。
  • 地元漁師も出てない状況でなぜ出港した
    その時点で海を見ても荒れていなかった。天気予報見ても大丈夫ということで出港。
  • 強風・波浪注意報が出てたが把握してたのか?
    していた。
  • 豊田氏とクルーズの打ち合わせとしたということだが、どこで、どのような形式でやったのか
    海沿いのとある建物の中でやった。
  • 事務所ではなく?
    ではない。
  • 直接会った?
    会った。
  • 安全管理は行き届いていた?
    いなかった。
  • 社長自身の責任は?
    安全管理規程の徹底になると思う。
  • 社長自身は、事故が起きた理由をどのように考える?
    社長の至らなさだと感じている。
  • 無理な出港を指示したという話が出ているが?
    会社収益は常に考えているが、そのために無理に出港させたということはない。
  • アンテナ故障は豊田氏は知っていた?
    聞き取れていなかった。社長も知らなかった。
  • 通例では、荒天時船長判断か社長を通さないといけないのか?
    そんなことはない。
  • 事故当日の人員体制
    繁忙期は8名~12名雇っている。事故当日の従業員数:船長3人と甲板員2人。
  • 事故が起きた原因はどこにある?
    社長の至らなさ。
  • 「至らなさ」の具体的なことは
    事故の原因が分からない点が「至らなさ」。
  • 天気図の確認等について
    社長もやるが基本的に船長
  • 連絡について
    12時45分、初めに連絡あった。時間不明ではあるが連絡あった。遅延連絡があった。衛星携帯電話積んでないらしいが確認できてない。
  • 安全包括管理者・運行管理者は誰
    前者は社長、後者は船長。
    ※なお、後者補助は「ヤマダ」さんという方とのこと。
  • 安全管理規程がある中で、なんでも条件付き運航できてしまうのでは
    安全管理規程に、条件付き運航の基準が書いてない。曖昧で正確な数値が書いてない。
  • 新しく作った規則とは
    「毎日天気図を見る」「出勤後の天気図の確認」
    ※ということは、ごく最近まで、その規則を作る前まで「毎日の天気図すら見ていなかった」「出勤後の天気図確認も怠っていた」という認識になるが、これは海上交通に携わる者にとって相当危険なことをやってきていた?
  • 船体の亀裂については
    把握してない。
  • 病院に行っていたことについて
    病院から16時前に会社に戻った。北見の病院。
    ※思わず「遠っ!」と思ったが、そういう診療ができる一番近所が北見なのだろうか。
  • なぜ「KAZU I」だけ早く運航を始めることにしたのか?
    社長業を譲り受けた時からこの時期に始めていた。
  • 無線が故障していたがなぜ確認をしなかったのか?
    すると思うが、それは社長のチェックミスで報告は受けていない。事故当日にアンテナが外れているということを知った。
  • 同業他社の指示を仰ぐ等のことはしなかったのか?
    当日は誰にも相談しようとは思わなかった。
  • 豊田氏を普段より早く船長への昇格を決めた理由は
    ベテラン船長に従事していて、その人が資質ありと判断し昇格を決定した。
  • その他
    • 4月21日の衛星携帯電話の故障は把握してない
    • 社長は衛星携帯電話は積んでいたと思っていた
    • 昨シーズン修理に出して積んであると思っていた
    • 安全管理規程に衛星携帯電話の規程は載っていない

その後、ある新聞記者から「安全管理規程を公表できないのなら読め」と言われ、社長が小学校の発表会の如く読み始めたので、ここで私は会見見るのを止める。そして、会見の最後にまた土下座をして終了したらしい。